「小さくなった消臭ビーズに水を入れると、復活・再利用ができる」とインターネットで見かけたことがあるかもしれません。
しかし、消臭ビーズに水を加えたとしても消臭効果は戻らないため、交換の時期がきたら古いビーズを処分して新しいビーズを詰め替えるようにしましょう。
今回は、当社の消臭ビーズを例に、再利用で消臭ビーズの機能が復活しない理由、消臭ビーズを長持ちさせる工夫を紹介します。
Contents
水で膨らませた消臭ビーズが再利用できない理由
小さくなった消臭ビーズに水を含ませると、元の大きさのビーズに戻りますが、これは形が戻っただけで消臭効果はありません。
効果がないだけでなく、水を含ませることでトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
既にビーズの消臭成分は抜けている
消臭ビーズに含まれている消臭成分は、空気中に蒸散し、ニオイ成分を中和分解することで消臭効果を発揮します。消臭ビーズが小さくなることは、消臭成分が空気中に拡散している証拠です。
役目を果たした消臭ビーズから蒸散した消臭成分が戻ることはありません。
新しいビーズを詰め替えて、ニオイ環境の維持ができるようにしましょう。
水で膨らませたビーズがトラブルを起こすリスクも
使い終わった消臭ビーズに水を入れて再び大きくすることで、誤飲や排水溝の詰まりなど思わぬトラブルの原因になりかねません。
特に多いトラブルは、排水溝のゴミ受けで古くなった消臭ビーズを廃棄して、排水溝に消臭ビーズを詰まらせてしまうケースです。
画像のような環境だとトラブルのもとになりやすいので、水回りでの詰め替え作業をやめ、古くなったビーズはゴミ袋などに入れるようにしましょう。
また水を入れると消臭ビーズが元のサイズよりも大きくなってしまい、容器からこぼれてしまう可能性もあるため、再利用せず廃棄するようにしましょう。
製品サイズにもよりますが、一般的な消臭ビーズの交換時期は2~4か月の商品が多いと言われています。
交換のタイミングや見極め方については、以下のページをご覧ください。
ハル・インダストリの消臭ビーズが水で膨らむ理由
使い終わった消臭ビーズが水で再びふくらむのは、ビーズの主成分である高吸水性ポリマーの特性によるもの。
ニオイを消臭する成分は抜けてしまっても、ポリマーの機能は残っているためビーズが元の形状に戻るのです。
消臭ビーズが水で膨らむ理由をみていきましょう。
水で膨らむのは高吸収ポリマーの特性
消臭ビーズの成分である高吸水性ポリマーは、オムツや生理用品といった日用品や、植物に水を与える土壌保水材料などにも使われています。
高吸水性ポリマーは、イオン濃度の差による浸透圧によって水を吸収します。
高吸水性ポリマー内部のイオン濃度が高く、外部の水との濃度に差が生まれるため、水を吸収することができます。
また、水分を含むと簡単に放出しない保水力も兼ね合わせているので、水を与えると元の形に戻ります。
水分が抜けると再び小さくなる
高吸収ポリマーに含まれた水分は、空気中へ少しずつ蒸発されるため再び小さくなっていきます。
ただし、一度使った消臭ビーズは消臭成分がすでに抜けているため、水分を再吸収させても、その水分がそのまま蒸散しているだけです。
消臭液剤を大量に含むことができる特殊な樹脂
高吸収ポリマーは浸透圧の力で、ポリマーそのものの重さの200~1000倍もの水分を吸収することができます。
吸収は急速ですが、蒸発して小さくなるスピードは緩やかです。
ハル・インダストリの消臭ビーズはこの性質を活かし、消臭成分となる植物性抽出エキスをビーズに含ませることで、消臭効果を発揮する仕組みになっています。
消臭ビーズを長持ちさせる方法
消臭ビーズは置き場所を工夫すると、消臭効果を長持ちさせることが可能です。
直射日光や高温の場所を避けるなど、商品に記載されている使用上の注意を参考にするとよいでしょう。
ここでは、消臭ビーズの減り具合を速めない方法を紹介します。
乾燥や直射日光は避ける
消臭ビーズは温度・湿度・風の当たり方によって、通常より消臭成分の蒸散量が増えます。
また、直射日光が当たる場所に長時間置いておくと、消臭ビーズの使用期間が短くなったり、紫外線によるダメージを与えたりしてしまう可能性もあります。
これらのことを踏まえ、以下のような場所に置く場合は、消臭ビーズの蒸散スピードが速くなる可能性があることを覚えておいてください。
窓際
窓際に消臭ビーズを置くと、有効使用期間が短くなる可能性があります。
窓際は直射日光が当たる時間が長く、消臭ビーズが高温になりやすいため、消臭成分が放出されやすくなります。
空気の入れ替え等で風の通り道になる場所でもあるため、ビーズが長持ちしにくいです。
また紫外線が長時間あたり続けてしまうと、吸水性ポリマーが変性してしまう可能性があります。
プラスチック製の容器も紫外線で劣化を起こす可能性があるので、直射日光が当たる場所は避けるようにしてください。
エアコンの近く
エアコンの近くも長持ちしにくい場所です。
消臭効果の出しやすさ、お子さまやペットの誤飲などのリスクを考慮して、エアコンの風が当たる高い場所に置いて使用する方も少なくありません。
しかし、エアコンの乾燥した風が消臭ビーズに直接当たると、消臭成分の蒸散スピードが速くなり、有効使用期間が短くなってしまいます。
風通しが良すぎると減りやすい
風通しが良すぎる場所に置くのも有効使用期間を短くする可能性があります。
消臭ビーズは空気に触れれば触れるほど、蒸散量が増えます。
すると消臭ビーズに含まれている消臭成分がどんどん蒸散されてしまい、減りが早くなります。
夏場は、エアコンや扇風機の近くを避けると長持ちさせられるでしょう。
【まとめ】小さくなった消臭ビーズは廃棄しよう
消臭ビーズは、高吸水性ポリマーの影響で使ったあとに水を注ぐと、元の形に戻ります。
しかし、水を含ませたとしても消臭効果が復活することはありません。
継ぎ足しもせずに使い切り、新しいビーズを入れ替えるようしましょう。
また消臭効果が長続きするように、置き場所も工夫してみてくださいね。